PEOPLE

ごはんのにおい、お母さんの手 幸せを繋ぐおにぎり弁当

心のこもったまあるいおにぎりと、旬のお野菜がたっぷり入った手作り弁当。

土鍋でじっくり炊かれた奈良のお米、ヒノヒカリはふっくらもっちり。

 

一つひとつ手間暇かけて、イベント時には徹夜でお弁当を仕上げるという、だいどころ飛鳥さん。

中学生の娘さんに作るお弁当はSNSでも話題になっています。

 

飛鳥さんのおにぎりを食べたことがある人は、一度は思うのではないのでしょうか。

「何でこんなに美味しいんだろう?何が違うんだろう?」

 

 

飛鳥さんの手から生まれるやさしい味。

今回はその秘密をお聞きしてきました。

 

 

土井飛鳥さん。奈良県大和郡山市出身。

 

仕出し屋を営んでいた両親の元で育ち、34歳の時に奈良市内で『だいどころ飛鳥』をオープン。

結婚・出産を機にお店をたたむが、子育てをしながらお弁当の配達やイベントへの出店を再開。

 

義母の介護をきっかけに生駒に転居。

自宅におにぎり工房を作り、2018年の春から限定20食で予約だけのおにぎり弁当を販売している。

 

 

身近にある素材でごはんを作る

 

(合田)

心もほっこり満たされる飛鳥さんのおにぎりを初めて食べた時、

あまりの美味しさに感動したことを覚えています。

 

それと同時にわたしが作るおにぎりとどうしてこんなに違うのだろう、と。

今日はずばり、そのおいしさの秘密を伺いに来ました!笑

 

(飛鳥さん)

ありがとうございます。

実は感覚で作ることがほとんどなんです。

 

専門学校に通ったわけでも、修行を積んだわけでもなく、全て自己流なのですが、

仕出し屋として働く親の姿を小さい頃から見て、手伝ってきました。

 

大きな三升釜のごはんの炊きあがるにおい、天ぷらの揚がる音。

その子供の頃からの感覚が身についているんだと最近実感しています。

 

 

(飛鳥さん)

お手伝いにはつまみ食いもつきものですよね?笑

焼きたての魚の美味しさを知り、お出汁の旨みを知る。

お料理を直接教えてもらったとはないのですが、学ぶことがたくさんありました。

 

(合田)

情景が浮かびます。

小さな頃から身についている感覚が飛鳥さんの味になっているんですね。

 

お弁当を作る上で意識されていることはありますか?

 

 

 

(飛鳥さん)

生駒に引っ越してからは日々自宅の畑で採れたもの、

地元に住む方が作られた野菜を使うようにしています。

 

今だと紫蘇や胡瓜、ゴーヤ、南瓜、おくら等。

旦那さんが育てている野菜をいかしておかずを作っていますね。

ならまちに住んでいた時にはできなかったことができるようになったのでうれしいです。

 

 

(飛鳥さん)

今年の4月から月に一度おにぎり弁当の日として20食限定でお弁当を作っているのですが、

一週間前から何をいれるか構想を練って、

イベント当日がベストな状態になるよう逆算して準備を進めていきます。

 

酸味、苦味、甘味、塩味等も考えて。

色合いはもちろん、揚げ物があれば炒め物があって、煮物がある。

おかずと一緒に食べるおにぎりは、あまり濃い味付けにならないように。

味や栄養のバランスが取れるよう意識していますね。

 

(合田)

甘辛い揚げ茄子、ほんのり苦味のあるゴーヤチャンプルー、自然な甘さのかぼちゃのいとこ煮、

お出汁を堪能できるだし巻き卵、少し酸味のあるきゅうりの古漬け。

今日のお弁当のおかずを見てもそうですね。

 

さらにコーン、ひのまる、あずきと3種類のおにぎり…

品数と異なる調理法。とっても時間と労力がかかっているんだろうなと思います。

 

(飛鳥さん)

そうなんです。笑

あと、お弁当は詰めるまでが大切だと思っていて。

一つひとつちゃんと詰めたいので、

20個のお弁当を詰めるのに大体1時間30分くらい時間がかかってしまいます。

 

 

 

シンプルなことを追求したい

 

(合田)

それだけの想いが詰まっているからこそ、

まるで宝石箱のようだとリピートされるお客さんも多いんでしょうね。

 

徹夜しても、大変でも、お弁当を作り続ける飛鳥さんの原動力は何なのでしょうか?

 

(飛鳥さん)

食べて喜んでもらえることが一番ですね。

お弁当作りはもうライフワークなんです。

 

今度いつ食べられますか?と楽しみにしてくれる人がいるから頑張れます。

 

(合田)

そんな飛鳥さんのお弁当を食べて育つ娘さんが羨ましいです!

 

(飛鳥さん)

昭和なお弁当じゃないですか?

でもそれでいいと思うんです。

 

普通のごはんをもっと追求したい。

昔ながらの味をちゃんと。

 

これからも体力と気力の続く限り。笑

小さなお弁当の世界と向き合っていきます。

 

 

 

 

食べることは、生きること。

 

お弁当の蓋を開けると、まず目に飛び込んでくる「ありがとう」の言葉。

楽しみにしてくれる人がいることが原動力と話してくれた飛鳥さんのごはんは、

食べた人の原動力になっているはず。

まさに幸せの連鎖ではないでしょうか。

 

そしていつか飛鳥さんの味が娘さんの味になり、

その口福の輪が繋がっていくのだろうと感じました。

 

 

 

text by saki goda.