PEOPLE

暮らしにちょっと彩りを どこかほっとする愛らしい木工

奈良市大和町。

無垢材のオリジナル家具製作や

オーダーメイドの家具を作っている今池七重さんの工房“七木”があります。

 

“まな板削ります”と書かれた店先。

木工作家として活躍する今池さんの作品への想いを伺ってきました。

 

 

1981年福岡生まれ。

京都女子大学家政学部生活造形学科を卒業後、

2004年飛騨高山の家具メーカーで製造職に就く。

2010年に指物工房矢澤に弟子入りし、2013年に奈良県にて七木を開房。

奈良、大阪、東京等で展示を行う。

 

 

 

(合田)

福岡で生まれ、京都・岐阜・宮崎で過ごされた後、

奈良で工房を開かれたということですが、なぜ奈良を選ばれたんでしょうか?

 

(今池さん)

縁はなかったのですが、住んでみたいなと思っていたんです。

 

九州にも関東にも行きやすい立地ということはもちろん、

奈良のこの雰囲気や町並みが好きだったんですよね。

ちょうど5年前の4月に引っ越してきました。

 

(合田)

なるほど。

住んだことはないけれど、心惹かれる部分があって奈良に住んでみたいと思われたんですね。

今池さんはなぜ木工作家になろうと思われたんですか?

 

(今池さん)

大学生の頃はインテリアコーディネーターになりたいと思っていました。

 

就職先を探している時に岐阜の家具メーカーが製造職を探しているのを知り、

作るのも面白そうだと思って、製造の仕事に就いたんです。

 

土日は製造場を開放してくれる会社で、

デザインの社内コンペもある等いい環境で学ばせてもらいました。

 

 

 

(合田)

そこから弟子入りしようと思われたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

 

(今池さん)

5年経ったときに社会人として考えるタイミングってないですか?

 

このままでいいのかな、専門学校にもう一度行こうかなと考えていた時に

後で弟子入りする工房出身の人が雑誌に載っているのを見て。

 

その時に工房のことを知ったのですが、

ホームページを見たらちょうど弟子入り募集をしてたんです。

それで試験を受けて、岐阜から宮崎に弟子入りしに行きました。

 

(合田)

色んなタイミングが重なっていたんですね。

 

(今池さん)

そうですね。

 

弟子入りでは鉋を研ぐことからスタートしました。

それまでの家具メーカーは機械作業だったので、手工具を使う所から見て学んでいきました。

弟子入りは3年という期間が決まっていたので、3年後に向けて色々準備をしていきましたね。

 

 

 

(合田)

今池さんが作られる作品はトレーや花器などの小さなものから

テーブルや椅子などの大きなものまでありますよね。

どんなことを思いながら作られているんですか?

 

(今池さん)

暮らしの中で自分が使いたいなと思うものやあったらいいなと思うものを作っていますね。

 

使いやすさと丸みをもたせた形が特徴でしょうか。

どこかカーブを付けるとかあえて脚を付けてみるとか。

愛嬌があるような家具を作っています。

 

特に色々な木を使ったトレーは

独立後初めて福岡県のギャラリーさんで展示する時に作ったので、

思い入れがありますね。

 

 

 

 

(今池さん)

また、できるだけ国産材を使いたいと思っているので、

栗と桜をメインに吉野ヒノキや杉も使っています。

栗の木目や表情が自分の作品のぽてっとした感じと合うんです。

 

(合田)

確かに木によって全然表情が違いますね。

そのインスピレーションはどこから得ているのですか?

 

(今池さん)

図録や雑誌を見て思いついた形を書き留めておくこともありますし、

木工に限らず様々なジャンルの展示会に行ったり、絵画を見たり、

他分野の方とお話をすることで刺激を受けたりしています。

 

レトロな感じの和風家具も好きで、

わたしのきのこ型のスツールの座面は

昔のピアノ椅子からインスピレーションを得ていますね。

 

ひとりで制作しているので忙しいときもありますが、

これからも使ってもらえるもの、暮らしに添えられるものを作っていきたいです。

 

 

 

 

木の温もりや表情は、実際に見て触って感じるもの。

思わず触りたくなる今池さんの作品は、

木に寄り添う今池さんの心が表れているよう。

 

自分に訪れる一つひとつの機会に全力で向き合ってきたからこそ、

今の今池さんとその作品があるのだと感じました。

 

 

 

text by  saki goda.